HP-UNIXの基本
商用のUNIX OSとしては SUN Solarisが有名ですが、
HP-BASICを使用する環境としてはほとんどが、HP-UNIX(HP-UX)
上で提供されています。
HP-UNIXの古いものは独自ハードウェアの上に構築されていますので、
OSはもとよりハードウェアの一つ一つの部品がパソコンの数十倍の
値段がいたします・・。
HP-UXとは、米国ヒューレッドパッカード社が提供していた商用の
UNIX OSです。
現在は独自ハードウェア、ソフトウェアの開発に多大なコストが
かかるため、通常のパソコンのハードウェア構成(DOS/V)に
エンタープライズ版のLinuxを搭載することによって計測器制御を
行わせて販売しています。
ここではUNIXの基礎と操作方法について紹介します。
HP-UX基礎とコマンド
先述したとおり従来はHP-UXとして独自環境を提供していました。
これには従来、ヒューレットパッカードが一社で開発販売を
行っていたことが理由です。
HP-UNIXとは、もちろんUNIXなのですが、
基本的にはベル研究所システムV.2を基にしたUNIXで、BSDのサブセットに
HP独自の拡張機能を加えて作られています。
具体的に通常のUNIX(SUN等)との違いは
・システムカーネルの強化
ハードウェアが独自なのでそれにあわせたカーネル・シェルの最適化。
開発環境の提供のためのコンパイラが使えるようになっています。
・グラフィックス機能
グラフィックスライブラリの提供等、CAD等の使用に耐えうるハード
ウェアの提供。
入出力デバイスのサポート。
・ウインドウマネージャ機能
独自のXWindow機能を提供。
・ネットワーク
LANでイーサネットサービスの提供。ARPA機能(FTP/Telnet/SMTP)提供。
Berkeley機能(rcp/rlogin/remsh/sendmail/socket)提供。
NS機能(ネットワークファイル転送、リモートファイルアクセス
、リンクレベルアクセス)の提供。
・HP-UX漢字ライブラリの提供。
・デバイスI/Oライブラリの提供。
GPIB、GPIOインターフェースアクセスを可能にするライブラリ群の提供。
など、標準的な機能は備えているものの、ハードウェアの
独自性が高いためかなり癖のある仕様となっています。
具体的にはGPIBポートが標準で提供されていたり、各ハードウェアが
SCSI接続(内蔵のハードディスクでさえ)されていたり、
CPUがモトローラの命令セットになっていたり(シリーズによる)
DATドライブが標準で接続できるようになっていたりします。
しかしながら大きく時間を経た今となっても使用に耐えうる
標準的な機能を提供してくれています。
入手に関しては商用ということもありなかなか難しいですが、中古市場を
よくよく眺めていれば(高額ながら)入手できる場合があるようです。
まずはワークステーションを手に入れ、OSを導入し、計測器を制御
させる環境を作ることが必要になってきます。
以下ではUNIXの基本的なコマンドについて紹介します。
HP-UNIX操作の基本
下の表はUNIX標準コマンドをしめしています。
バージョンの関係もあり、すべてのコマンドについては記載していません。
UNIXコマンド | 動作 |
---|---|
ls | ファイル一覧を見る |
cd [絶対パス/相対パス] | カレントディレクトリの移動 |
pwd | カレントディレクトリの表示 |
cp (ファイル1) (ファイル2) | ファイル1をファイル2として複製 |
mv (ファイル1) (ファイル2) | ファイル1をファイル2に名前変更 |
rm ファイル名 | ファイルの削除 |
mkdir | ディレクトリの作成 |
rm -r (ディレクトリ名) | ディレクトリの削除 |
cat (ファイル名) | ファイルの内容表示 |
chmod [---] (ファイル名) | ファイルの属性変更 |
more (ファイル名) | ファイルの内容表示 |
UNIXネットワークコマンド
下の表はよく使用されるネットワーク系のコマンド について示しています。
UNIXコマンド | 動作 |
---|---|
telnet (IPアドレス) | 指定のマシンにログインする |
ftp (IPアドレス) | 指定のマシンにファイル転送する |
ping (IPアドレス) | 指定のマシンと通信可能か調査する |
ifconfig | ネットワークインターフェースの設定 |