ワークステーションリストア
HP-UNIXの管理をしていると、ハードディスクの故障は
非常に恐ろしい事象です。
ハードディスクは一番壊れやすく、かつデータが失われる
ことにより稼働停止に影響を与えやすいところです。
そのためにバックアップとリカバリーは常に考えておかなければ
なりません。
一からインストールを行うと環境構築までたどり着くだけでも
膨大な時間がかかってしまうので、バックアップは必須です。
ここではリストアのやり方の解説をします。
ignite(イグナイト)によるリストア
HP-UXでは管理者権限のigniteによるリストアを紹介します。
fbackup/igniteのどちらを選ぶかはもちろん保存されているデータ
によるのですが、基本的にHP-UNIXのOSのバージョンによって制限が
かかります。(igniteの方が新しい)
どちらを選ぼうともDATテープとドライブを使用し、HDDに復元する
ことは同じです。
違いとしてはfbackupはOSの復元はできないことと、Bootはできないため、
ハードディスクを一旦修理(交換)した後、OSを導入してからfbackupを
施すことになるので手間がかかります。
それではigniteの復旧手順を解説します。
まずハードディスク交換など物理的な修理を行った後。
DDSリカバリテープをDATドライブに挿入し、ワークステーションの
電源をオンにします。
そのとき、ハードディスクからBootしてしまう前にEscキーを押して
Bootにストップをかけます。
MainMenu : Enter command or menu > sea
Path Number Device Path Device Type
---------------------------------------------------------------------------
P0 core.FWSCSI.6.0 SEAGATE ST32171W
P1 core.FWSCSI.5.0 SEAGATE ST32171W
P2 core.SCSI.2.0 TOSHIBA CD-ROM XM-5901TD
にてBootデバイスを表示し、DATドライブを選択します。
Interact with IPL (Y or N)?> N
を入力します。
リカバリに成功するとPASS表示されます。
fbackupのリストア方法
fbackupはHDD交換等物理的な修理を行ったあと、同バージョンの
OSインストールを行います。
そのあとにDATテープドライブで
環境の再構築をおこないます。
OSのインストールは各OSの手順書を見てインストールを行います。
そのあと、fbackupコマンドもしくはSAMによる管理者ツールで
復旧をおこないます。
おおよその難点は3つ。
現在HP-UNIXに導入されているようなSCSIハードディスクはほぼ作られて
おらず、昔のものを中古で購入するしか手がないということ。
これは信頼性に欠けます。
もう一つはOSのインストールディスクがなかなか入手できないという
こと。昔のバージョンだったらなおさらです。
3つ目はDATドライブも死にやすいということ。
テープを入れてDATドライブが死んでいると、テープが尾をひくようになり、
テープも死んでしまいバックアップがダメになってしまいます。
このあたり信頼性を高めるのは非常に難しいですが、メーカーと相談して
何とか対処したいものです。